The Art of FUGUE リリースのお知らせ
J・S・Bach最晩年の作品「The Art of FUGUE(フーガの技法)」が6/4にリリースとなりました。

e-onkyoよりダウンロード出来ます。是非、沢山の方にこの作品を聴いて頂きたいです。






3月に軽井沢「大賀ホール」で昨年の四季に続くUNAMASレーベルクラシック作品の第二弾として制作された今作品。

今日は少し専門的な(とはいってもAV関係は私は全くの素人です)お話も交えつつ、今回の作品について熱く語ってみようと思います。


今回の録音についてUNAMASレーベルの沢口さんとお話していて「今度はバッハのフーガをやりたいと思うんだ」というお話を頂いて最初に思ったことは、「四季の何倍も大変なことだろう」ということ。

曲がとにかくシンプルであること。されど各声部は複雑に絡み合い、そのなかで旋律が浮き出つつもハーモニーが崩れないアンサンブル。
しかもこの曲は滅多に演奏されませんし、生涯演奏しないで終わる音楽家も多いかと思います。

そんな未知の作品と向き合うということ。
これは、クラシックの中でも良い意味でイージーな部類に入るであろう四季とは全く異なる試みだと初めから思いました。



元々バッハはこのフーガの技法に楽器指定をしていません。
「弦楽五重奏は世界初の編成だなんて言ってるが、そもそも楽器指定されてないのだから何の楽器でやったって構わないのではないのか」というような声を聞きます。

世界初ではないかもしれません。過去にコンサートで試みた奏者はいるかもしれません。私は知りませんが。
少なくとも録音では聴いたことが無いです。その編成で演奏されないからには理由があります。難しいからです。

この曲が弦楽器で演奏される場合は「弦楽合奏(つまり弦五部編成)」もしくは「弦楽四重奏」という形が基本です。

何故弦楽五重奏で演奏されることが殆どないか。
弦楽合奏であれば、イントネーションにシビアなコントラバスという楽器も数名で演奏しますから、当然1人にかかる負荷は小さくなります。

ところが、これをチェロもコントラバスも1人ずつしかいない弦楽五重奏で演奏する場合、殆どのパートをユニゾンで演奏する状況でイントネーションをバッチリ合わせてこの曲の神髄に迫るというのは、私たちプロの奏者でも大変難しいことなのです。
それを出来るコントラバス奏者は限られるのです。そしてそんな無謀な試みを、ハイレゾ・サラウンド配信で試みたのはUNAMASレーベルが初なのではないか!ということです。

だからこそ「世界初の編成」とうたっているのです。

そんな難しい試みでは有りましたが、敢えて弦楽四重奏ではなく、コントラバスを足した弦楽五重奏で録音した結果、重低音はまさにパイプオルガンのそれで、低音が補強されスケールの広がったサウンドは本当に素晴らしいです。

2chで聴いても勿論楽しめるのですが、UNAMASのマイキングは「没入感」というのをテーマにしていて、実際に5.1chハイレゾ・サラウンドで聴くと、ホールの「客席」のサウンドではなく「5人の演奏家に舞台上で取り囲まれて音を浴びている」という感覚に近いです。

単純に演奏をホールの美しい残響と共に楽しみたいのだ、という方には違和感があるかもしれません。でも、そんな没入感も「UNAMAS流」のオーディオ芸術なのだとのことです。なるほど。です。
人のやらないことをやる。これは凄いことなのだと思いますし、今回のフーガもまたサラウンド業界に於ける日本の第一人者である沢口さんにしか作れないサウンドです。

私個人としては、このような素晴らしいサウンドで自分の演奏を録音して頂けたことをとても嬉しく思いますし、これからもっともっと本物のハイレゾ・サラウンドが広がって欲しいとも思います。

生の演奏に敵うものは無い、と思いますが、「録音芸術は確かにある」と確信しています。
ハイレゾ・サラウンドは余りに美音で、一度体験したらステレオには戻れないというのもうなずけます。


長々と語ってしまいましたが、またひとつ素敵な作品に携わらせて頂き感謝です!

同時に、人のやらないことをまたひとつやらせて頂いた、ということも財産になりました。

ご協力頂いた素晴らしい演奏家の皆さんにも感謝です。


改めまして、The Four Seasons と合わせて The Art of FUGUE もどうぞ宜しくお願い致します!












 
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